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July 31, 2008

クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ』 を劇場で鑑賞。

Climbershigh

あらすじ:
1985年8月12日。群馬、北関東新聞の記者・悠木和雅(堤真一)は、出世街道から外れ一匹狼として行動する遊軍記者。社内の登山サークル“登ろう会”の仲間で販売局所属の親友・安西(高嶋政宏)と共に、翌日谷川岳の衝立岩登頂に挑もうと準備を進めていた。そのさなか、乗員乗客524人を乗せた羽田発大阪行きの日航機123便が群馬と長野の県境に墜落した模様、との一報が入る。こうして悠木たちは、前代未聞の大事故をめぐる熾烈な報道合戦に身を投じていくのだった。さらに悠木は全権デスクを命じられ、社内外での駆け引きや軋轢に苦しみながらも使命を全うしようと奔走し続ける。だがそんな中、独り谷川岳へ向かったと思われた安西がクモ膜下出血で倒れたとの報せを受ける...。社会部県警キャップ佐山達哉(堺雅人)と地域報道班の神沢周作(滝藤賢一)が現地で壮絶な光景を目にするのだが、死ぬ思いで取材したにもかかわらず、その記事は朝刊に間に合わなかった...。

以前に原作を読んだ時のエントリーはこちら  にありますが、要約すると新聞とは?記者とは?という根本的な問いかけであったハズだと思っています。その生々しい描写が読み手の心をつかみ話さなかった。そして悠木が出した結論に共感できた。だから本作品にも同クオリティを期待するのは当然の事で、その期待は非常に大きいものでした。

率直に言って、どちらかと言えば期待は裏切られたと感じています。確かに、一つ一つの細かなプロットは押さえてある。朝刊が出来上がるまでの過程、1面を決めるための駆け引き、生ものと有効期限、新聞(地元紙)が果たす役割、本当の記者(記事)とはスクープなのか? 等です。しかし、これらの点が線になっていないように感じられ、ただ混乱したシーンを見せられどうなっているのか分かりにくい気がしました。原作はいいのに、見せ方を失敗しているのではないでしょうか?。悠木がクライムするシーンがたびたび挿入されます。過去にたぶらせて、その時の心情をクライムのシーンで補足・解説しているつもりなのかもしれませんが、はっきり言って不要です。ならば本編に労力を注ぐべきだった。また、社長のセクハラシーンも地方新聞社のワンマンぶりを演出したかったのかもしれませんが、緊迫感を阻害する効果しかなく、流れを断ち切る壁にしかなっていなかった気がします。
原作がよかっただけに残念です。

キャステイングにも不満が残ります。唯一、佐山を演じた堺雅人が記者魂を見せてくれますが、神沢は深みが無いし、何より悠木に魅力を感じない。一匹狼の雰囲気が感じられない。ここぞという時に声が大きいだけ。もう少し芯の感じられる役者を使った方が良かったと感じました。”ダブルチェック”と呟き決断をしましたが、何故そういう経緯になったのか?ただ先輩と同じ言葉を言ってみたかっただけ?非常に重要なシーンにもかかわらず表面的な言葉で片付けられてしまい消化不良でした。他は、社内のサラリーマン風土を象徴するための人々ですが、はっきりいってどうでもいいです。実際そうなのかもしれませんが、くどすぎましたね。サラリーマン社会を描いた映画なんでしょうか?違いますよね?。人がゴチャゴチャしすぎているため、日航機墜落というキーワードがぼやけてしまった気がします。

映像的に見るべき点がほんの数ヶ所。音楽は殆ど印象に残っていません。
どうにも残念です。
★3

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July 25, 2008

ザ・マジックアワー

ザ・マジックアワー』 を劇場で鑑賞。

Themagichour

あらすじ:
港町・守加護でクラブ「赤い靴」の支配人を任されている備後(妻夫木聡)は、ギャングのボス・天塩(西田敏行)の情婦・マリ(深津絵里)に手を出したのがバレて大ピンチ。5日以内に幻の殺し屋・デラ冨樫を探し出して連れて来なければ命はないと脅される。が、デラの居場所に皆目見当もつかない備後は替え玉を仕立てる苦肉の策に出る。そこで白羽の矢が立ったのが売れない俳優・村田大樹(佐藤浩市)。主演映画を撮りたいと村田を騙し守加護へ連れて来るのだった。

負い目をもった男がボスの指示で人探しをするが、連絡先も分からないから俳優を雇いだます。俳優はもちろん映画の仕事だと思いリアルなギャングの世界にいるとは思っていないギャップが面白い。あくまで映画だと思い込み、ボスを含めギャングを役者としてしか見ていない村田の行動が笑いを誘う設定は悪くないと思ったし、事実笑えた部分だった。が、観終わった後、何か物足りない感じがしたのも事実。何が足りないんだろう?と思った時に、「王様のレストラン」と比較してみて思ったのは、話が発散しているという事。本作は事実上3部構成とかな?と思うが、少なくとも前半の代役を必要とするまでの話は長すぎるし、後半の反撃に出る直前のだらだらした感じが眠気をさそった。

キャスティングはとにかく佐藤浩市(強いて言えば、掛け合い時の西田敏行もよかった)につきる。他は殆ど笑いに影響する事はなく、別に誰でも良かった気がする。言えばホテルのオーナーであるマダム蘭子(戸田恵子)が要所をしめる感じで必要かな?という気がするものの、前作「有頂天ホテル」と同様に登場人物が多すぎてよく分からないというか、わざと印象を薄くしているのでは?とさえ感じてしまう。この点が非常に残念なところ。

映像的には雰囲気のあるセットで、随分とお金が準備出来たんだなぁと肝心するものの、本当の魅力は密室劇にこそ本領発揮すべきであり、そこに金かけても意味ないよなぁという気もしてしまう。大衆化してきた悪しき傾向かな?興行的には成功するんだと思うけど、次回作がどうなってしまうのか?この調子でいくなら多いに心配。
★3

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July 21, 2008

キサラギ

『キサラギ』 をDVDで鑑賞。

あらすじ:
知る人ぞ知るアイドル如月ミキ(酒井香奈子)が自殺をして一年が経ち、一周忌追悼会に集まった5人の男たち。家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、イチゴ娘(香川照之)。ファンサイトの常連である彼らはそこで初めて顔を合わせた。それぞれオタク心を通わせながら、彼女の思い出話に花を咲かせる。誰しもが「自殺なんかする娘じゃない」と思っていた。しかしオダ・ユージが「彼女は殺されたんだ」と。この発言をきっかけに、男たちの侃々諤々の推理が始まった...。

単なる自慢パーティのつもりが、実は真犯人特定のため設定されたものだと知り、それを知りたいもの、知りたくないもの各々の気持ちが揺れる。そこからパズルのピースがはまってゆき、見事に作品は完成・完結した。作品を幾つかの要素に分解し、それぞれ5人に割り振っただけと言ってしまえば元も子も無いが、それでも最終的な落ちは実はハートフルで平凡だったというのが魅力かもしれないと思った。最終的な結末に意外性が無く、もう少しヒネリが欲しいという人もいるんだろうなぁ...と思うが、自分はハートフルコメディとしてはこんなもんじゃないか?と納得した。一応は5人全員が彼女に深く関わっていたという平等感も一見バランスされてよかったんだと思う。

キャスティング的にはオダ・ユージがどうも受け入れられない...。嫌いなものは嫌いなので、どうしても”合わない”という印象をうけてしまうのはそういったバイアスがかかっているからだろうと思うが、彼が必死に”如月ミキ”を売りだそうとか、その後1年も独自に調査していたとか、そういったイメージと一致しない。むしろ、さっさと売れそうな素材を必死に探しそうな印象をうけるために、そんな彼が仇討ち覚悟で乗り込んできた人間だと言われてもしっくりこない。他は無難なキャスティングかなぁ。家元のファンぶりや、スネークの乗り、イチゴ娘の親馬鹿ぶりは文句無いし、保男が許婚?と疑問だったが、最後に”如月ミキ”を見て妙に釣り合うんじゃないの?とか納得してしまった。やっぱりオダ・ユージが...。

映像的には、密室劇である事が幸いしてか美しいも何もなく無難だったし、音楽も邪魔にならずこれまた無難。
難易度も低めの設定であるのでゲームしている感覚で作品を楽しむ事ができ、レンタルでこれだけ楽しめれば十分という感じ。劇場だと星1つ減るかもしれないが...。
★4

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July 15, 2008

大日本人

『大日本人』 をDVDで鑑賞。

あらすじ:
ひっそりと平凡に暮らす大佐藤(松本人志)は、6代目大日本人として防衛庁から不定期に依頼される仕事で生計を立てていた。しかし以前とは違い、大日本人に対する世間の目は厳しく、活躍の場も次第に減っていた。
そんなある日、いつものように防衛庁の命を受けた大佐藤は、電変場に向かいある儀式を行うのだが...。

ストーリーはあるっちゃある。一応は正義の味方で、ちょくちょく現れる敵と戦う。その為にある儀式を行い変身する。発想はウルトラマンそのまんま。少しだけ視点を変えてみましたってだけで、中身は何もない。タイトルも単に日本人である大佐藤が大きくなるからってだけ。呆れて言葉も出ない。不評なのは噂で知っていたが、こんなんでカンヌ?アリエナイ...。

このクオリティで作品として成立したと判断した所が凄い。こんなものなのか?って感じ。15分ほど経ったところから、倍速にして見た。しかも雑誌片手に。それでも十分な感じ。辛いのはそれだけじゃぁない。言葉がはっきり聞こえないんだな。特に集中しているわけでも無いから、モゴモゴ話されると何言ってんの?ってなって、でもまぁいっか!みたいな。

とにかく時間の無駄。笑えないし、感動もしないし、腹もたたない。何もない。そんな空気みたいな作品だった。レンタル代損したなぁ...。
★1

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July 07, 2008

井上雄彦 最後のマンガ展

井上雄彦 最後のマンガ展』に行ってきました。 公式HP

Innouetakehiko_thelastmangaexhibiti

私は「スラムダンク」でファンになったクチで、今回は、東北自動車道を爆走し最終日(6日)に滑り込み鑑賞してきました。まぁ表現は少々オーバーですが、チケット片手に土曜日の朝から数時間爆走したは本当の話です。(^^v

いったいどのような内容なの?そんなの知らなくていいからとにかく行ってみよう。まずは行かなきゃ!。というノリで、過去の作品群に圧倒される感じかな?くらいに考えていました。前日(土曜日)夜に分かったんですが、今回は「バガボンド」だったんですね。やっぱり「スラムダンク」は無かったんだ...。実は殆ど読んでいなかったんです「バガボンド」...。δ(⌒~⌒ι)こんなんでスミマセン。でも、最初の1枚から最後の1枚まで、作品を知らなくても十分に”感動”出来る内容でした。

生の作品がすぐそこにある。ホワイトしてある部分や、書き込み具合。本当に贅沢な空間。そして、自分の2倍以上はあるだろう巨大な墨絵がまた凄い。”目”が本当に生きている。描かれたキャラの息遣いがビシビシ伝わってくる。怖さ、優しさ、誇りとかがガーンとくる。確かに漫画用のペンで書いたラインとは違うけれど、芸術作品として感動した。「バガボンド」をちゃんと読まなきゃ!と思った。流されやすい性格だし。そして、もう一度脳裏に焼き付けた数々の作品群を鑑賞してみたいと思った。勿論、全作品を収録した本は発売日、価格未定だったが、その場で注文している。楽しみ♪。

今回は来館者数も相当凄かったみたい。自分は最終日という事もあって、上野駅8:41着で現地入りした。しかし、公園の入口で【既に当日券販売は終わった...】という看板と、明日まで延長した旨が書かれたチラシを配るスタッフさん2名が。まだ1時間前なんですけど???不安を覚えつつ入口に向かうと凄い人。自分達はチケットを持っていたので、列の最後とはいえせいぜい100~150番目といった所かなぁ?。アイスキャンディ売りのオジサンが妙に微笑ましく感じた。
そんな空間を囲むように当日券を求めるため待っている人達が居て、はたして何人いて何時間前からいたんだろう?とにかく凄かった。そして、1~2時間は待つ覚悟だったけれど、なんと9:30開場。9:55には入場出来た。さすが日本だなぁと思った瞬間だったなぁ。じっくり堪能し、11:30頃会場から出たら、外は更に凄い事になっていた。でも、待っただけの価値はあると思うぞ~と心の中で叫びつつ、壁の絵を見ながら買ってきた昼御飯を食べ、全てを堪能し満足した所で帰路についた。

Innouetakehiko_thelastmangaexhibi_2

スタッフの対応もなかなかだなぁ。やっぱり作品に愛情があるかどうかは大きいなぁといつも思う。「A to Z」の時もそうだった。そんな全てに満足出来るイベントに触れる事が出来て本当に満足しつつ、雨の東北自動車道をひたすら爆走し、家に着いた頃はボロボロになっていた。

開催データ:
展覧会名: 井上雄彦 最後のマンガ展
会期: 2008年5月24日(土)~ 7月6日(日)[急遽7日まで1日延長]
会場: 上野の森美術館

- edit 2008.10.16 -
待ちに待った 「 いのうえの 満月篇 」 が届きました。
あの感動が再び思いだされるとともに、その後、「バガボンド」 を全巻読んでみて、あらためて気づいた事や感じる事もあって2度おいしかった。
入場者10万人の中の1人として再び ”にんまり” している所です。

Photo

[ 書庫データ ]
図録 いのうえの 満月篇
著 :井上雄彦、 舩木展子、 高草木博純
訳 -
(株)フラワー 4,500円 -版 235p ISBN978-4-9904126-1-6

- end edit -

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July 04, 2008

2008年(前半)に観た映画

2008年(前半)に観た映画

劇場に足をはこんだものと、DVDで鑑賞したものと区別しておりませんが、26本ありました。その中から上半期ベスト5を選出してみました。
こうしてみると邦画が極端に少ないですね。

1位 : 潜水服は蝶の夢を見る
2位 : 再会の街で
3位 : アフタースクール
4位 : ノーカントリー
5位 : ボーン・アルティメイタム
補欠: 麦の穂をゆらす風


[6月]
★2 戦艦ポチョムキン
★4 幸せのレシピ
★4 麦の穂をゆらす風

[5月]
★4 スーパーの女
★5 アフタースクール
★4 ノーカントリー
★1 オーシャンズ13
★2 パイレーツ・オブ・カリビアン / ワールド・エンド
★4 天国の青い蝶
★2 スパイダーマン2
★5 ボーン・アルティメイタム

[4月]
★5 潜水服は蝶の夢を見る

[3月]
★3 バンテージ・ポイント

[2月]
★3 不都合な真実
★3 バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
★3 アマデウス
★1 ザ・スナイパー
★5 再会の街で
★2 インド夜想曲
★3 スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
★1 ワールド・トレード・センター

[1月]
★3 題名のない子守唄
★3 ラッキーナンバー7
★2 アイ・アム・レジェンド
★3 ゲド/戦いのはじまり
★3 ダイハード4.0

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