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January 20, 2008

題名のない子守唄

題名のない子守唄』 を劇場で鑑賞。

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あらすじ:
ウクライナからイタリアにやって来たイレーナ(クセニア・ラパポルト)は、貴金属職人のアパートメントに固執し職を探す。清掃の職を得たイレーナは、次に金細工職人であるアダルケ家に近づくため、階段の転落事故に見せかけ家政婦のジーナを瀕死の状態にし、後釜として首尾よくアダルケ家の家政婦となる。アダルケ家にはテア(クララ・ドッセーナ)という4歳の一人娘がおり、イレーナはテアの心を掴み、そしてテアが養女である事を知るのだが、イレーナの行動に不信感を抱き始め警戒を強める妻ヴァレリア(クラウディア・ジェリーニ)と、ウクライナ時代に殺したハズだった黒カビ・ムッファ(ミケーレ・プラチド)が目の前に現れた事で、彼女の人生はまたしても闇に閉ざされようとしていた。閉ざされた彼女の過去とは?。アダケル家、とりわけテアとの関係とは?。

冒頭、いきなり女性達が裸で選別されているシーンからして印象的で、SMシーンや人身売買のため利用されたイレーナの過去が生々しく描かれているのが脳裏から離れない。少々やりすぎでは?という思いも感じるが、それだけにイレーナの幸せを求める執着心が際立っており、うまくバランスされているようでもあったように感じなくもない。物語りは、イレーナがいかにして最後に出産した子供(と思っている)であるテアに近づくか?というシンプルな構成。目的のために手段を選ばないイレーナに母親の愛すら越える怖さを感じた。テアに対しても、決して甘やかし表面的な愛情をそそぐのではなく、”生きる”ための鞭をふるうあたりはイレーナの過去が大きく影響しており、動物的な愛情表現を思い出す。

幾つか気になった点として、実はムッファが生きていたこと。これには正直驚いた。( ̄□ ̄;)!! あれだけ刺され出血していてよく助かったものだ。っていうかザコキャラなら即死間違いないはず。何故イレーナがイタリアに居るのか?アダルケ家に雇われているのか?どうして分かったのだろう?。相当都合よく悪役を使い回ししており、驚きとともに呆れてしまった。

最後、イレーナが出所し、バス停で待っているシーンがあるが、あのラストシーンもやりすぎで、全てを見せてしまってハッピーエンドにするのは分かりやすいものの安易過ぎる気がして残念。どうなって欲しいのか?は観客に任せてしまってよかったのではないかな?という気がした。

イレーナとヴァレリアはなかなかの演技で、お互いに母親役をうまく演じていたのではないかと思う。管理人や父親役、ムッファなど、男性陣が今一つ物足りない気がした。
★3

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January 14, 2008

ラッキーナンバー7

『ラッキーナンバー7』 をDVDで鑑賞。

あらすじ:
空港の待ち合い室で、暗殺者グッドキャット(ブルース・ウィリス)は1人の男に話かける。20年以上前、八百長競馬に負け借金を作った男が見せしめのため一家全員殺されたという話で、話が終わると途端に空港の男はグッドキャットに殺害される。
舞台はニューヨーク。人生の谷間にあるスレヴン(ジョシュ・ハーネット)が友人ニックのアパートヘ転がり込んだが、生憎ニックは不在だった。構わずシャワーを浴びているたスレヴンだったが、突然隣人・リンジー(ルーシー・リュー)が砂糖を借りに尋ねてくる。そんな事がキッカケで知り合いになってゆくのだった。まもなく、ニックが戻らぬまま、変わりにギャングがニックの部屋を訪れ、ニック不在のためスレヴンを拉致。ギャングの親玉”ボス”(モーガン・フリーマン)はスレヴンに難癖つけたあげく、”ボス”が敵対するギャング ”ラビ”(ベン・キンズレー)の息子を暗殺するよう迫る。期限付きでニック宅ヘ戻ったスレヴンだったが、間髪入れず ”ラビ”側に拉致され。”ボス”の暗殺を迫られた。一連のやり取りが終わりスレヴンが退室したのを見計らってグッドキャットが現れ、スレヴンを囮りに各々の親分を暗殺する作戦が告げられるのだった。両方のギャングから暗殺を強制され逃げられないスレヴン。裏で何かを企むグッドキャット。互いに暗殺される事を恐れ隣接するビルから出ない両親分。果たして暗殺期限が近づく中でスレヴンがとった行動とは。

いかにも被害者のスレヴンが敵対するギャング間の抗争に巻き込まれ、いかにも悪そうなグッドキャットが一枚絡んでいるというシンプルな構成で、淡々と暗殺に向け進行し、謎が謎のまま進む一見暗くなりがちなストーリーが、時折挿入される微笑ましいシーンによってエンターテイメント作品を維持しているようでした。殺しのシーンがあるものの、目をそむけるほど過激ではなかったのは好印象です。最後にどんでん返しはあるものの、20年前の回想シーンを覚えていれば明らかに復讐劇である事は明確で、グッドキャットがスレヴンを利用して一家殺害の復讐をするのか?そうなのか?それとも...まさかスレブン?くらいは想像出来てしまいます。そうなってしまうと途端に退屈さが増してきて、せめてどんな風に暗殺計画が進むのか?が焦点となるのですが、以外と蛋白に事が進みいきなり復讐完了...。少々拍子抜けしてしまいました。┐('~`;)┌

両親分にモーガン・フリーマンとベン・キンズレーを採用したももの、どうも貫禄的にピンとこない感じでしたし、ブルース・ウィリスの暗殺者ぶりはまぁまぁだったものの、見処が少なくて消化不良。リンジーを演じたルーシー・リューが唯一光っていた感じでしょうか?。スレヴン役のジョシュ・ハーネットも悪くはありませんでしたが、根底にあるものを考えるともう一歩欲しかった気がします。
★3

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January 12, 2008

アイ・アム・レジェンド

アイ・アム・レジェンド』 を劇場で鑑賞。

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あらすじ:
西暦2012年。人類はただ1人の生き残りであるロバート・ネビル中佐(ウィル・スミス)以外、死亡するかゾンビ化(ダーク・シーカー)していた。原因は3年前の新薬発表にさかのぼる。その新薬は癌細胞を100%良性化させる薬で、すぐさま世界中で使われたが、副作用により90%がKVと呼ばれる病気により死亡。残り10%は吸血鬼のように血を求め、闇でしか生きられない凶暴性だけが残ったモンスターとなった。更に恐るべきはその感染力で、薬を使用しない者も、空気感染によって全世界規模で病気が広がった。こうして偶然免疫のあったネビル中佐だけ人として生き残ったのだった。ネビルは、日中廃墟に現れる動物をハンティングし、時に保存食をあさり、レンタル店でマネキンと会話をしながら愛犬サムと暮らしていた。ウィルス学者だったネビルは、10%のダーク・シーカーを救うため特効薬の開発を進めてきたが、マウス実験でついに凶暴性が治まる薬を見つける。ダーク・シーカーを使った実験を行うために罠をしかけ捕獲するのだが、後日、逆にダーク・シーカーの罠によって愛犬を失い、理性を失ってしまうネビル。そんな時、想像もしない事が起きるのだった...。

いつもながら殆ど事前情報無しで映画館へ行ってきました。生き残った最後の1人の苦悩であるとか、ひょっとすると冒険活劇的なものなのかな?とか安易な考えをもっていました。そして、冒頭は期待通り孤独なサバイバルゲームが続き、後半の展開を期待しながら観ていたんですが、いきなりダーク・シーカーが”どーん”と出てきた時の驚きようったらありませんでした。きっと体がビクゥ(゚ロ゚)としてましたよ。えぇ。そういうわけで、ゾンビ、スプラッタ系が苦手な私は、自己防衛のため急速に休息モードへ移行。δ(⌒~⌒ι)

少し遠い目で最後まで観ましたが、ウィルスが低温に弱いとかって調査の基本っぽくないでしょうかね?。そんなんで実は残りが結構いたとかで親子が登場されても...。しかも夜という最も危険な時間帯に丁度よく登場する当りはご都合主義モリモリで更に元気がなくなってしまいました。終盤もそうですね。やっと発見した薬。しかしダーク・シーカーの凶暴さ故に薬を与えられず、その場を凌ぐためにネビルは自爆し親子を助けますが、やっぱり一緒に逃げのびてダーク・シーカーを救ってこそ伝説になるんじゃないでしょうか?。後から”蝶”のエピソードがネビルの行動動機になったのかもしれないことを知りましたが、それでも本当に人を思うのなら逃げるべきだったかと。

親子はダーク・シーカーのいない村へ逃げてしまいました。あれだけ凶暴であるさまを見ていて、一先ず安全な砦に避難出来たのですから、ダーク・シーカーを救うため危険地帯に戻るとは考えにくいです。自分なら安全な砦の中で一生暮らします。そのうちエサが尽きてダーク・シーカーも死滅するかもしれないし?。

無理無理に伝説化した気がしてなりませんが、映像的にはさすがハリウッドでしたし、孤独と戦い絶望するネビル役のウィル・スミスは良かったと思います。
★2

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January 07, 2008

ゲド/戦いのはじまり

『ゲド/戦いのはじまり』 をDVDで鑑賞。

あらすじ:
アーシュラ・K・ル=グウィン原作の『ゲド戦記』から、1,2巻(影との戦い、こわれた腕環)をベースにTV化?したもの。
魔法使いやドラゴンが存在する”アースシー”と呼ばれる世界。ゲド(真の名:ハイタカ)は鍛冶屋の仕事を後回しに、記憶喪失の魔法使いから魔法を勉強していた。そんな時、突然村が襲撃され、ゲドの魔法により危機を脱するものの、戦闘中ゲドは海へ転落。流れ着いた先で賢人オジオンと出会うのだった。オジオンに見いだされ、彼の弟子となり魔法の勉強を続けるのだが、刺激の少ない勉強に不満を覚えた若きゲドは、オジオンの推薦でロークの学院で本格的に魔法を学ぶ事になるのだった。血気盛んなゲドは、学院生との言い争いの勢いで禁じられている”死者の呼び出し”を行い、ゲベス(影)に追われる事となる。丁度その時、アチュアン神殿の地下墓所に異変が生じていた。封印されている筈の魔物が暴れ出したのだ。巫女の祈りにより封じられてきた墓所にテナーがいた。選ばれしテナーは秘密の場所と鍵を任されるのだが、仲間の嫉妬により罠にはめられ投獄されてしまう。そんな時、ゲベスとの対決を決意したゲドが壊れた腕輪を元に戻すためアチュアン神殿に現れるのだった...。

物語としては少々薄っぺらい気がします。精神的な部分は取り除かれ、善と悪の構図を明確にし、解決するためのキーワードを分かりやすく設定する事によってドラマ的な万人受けする仕上がりにしてしまった。影を単なる敵というポジションに置いてしまったことや、ドラゴンとの関係、魔法使いの偉大さと愚かさといった人の持つ欲求に関する問いかけの排除。これらが非常にもったいない。失ったものは大きかったと思います。

登場人物や環境設定などは原作をある程度踏襲しているものの、本質的な部分は冒険活劇になってしまっていますね。それはそれとして見れば楽しめる仕上がりだったと思いますが、何しろ”ゲド”というタイトルにしてしまったら逃げられない暗黙の決めがあると思うんです。やっぱり原作を知る者は、頭の中にしかなかった原作のイメージをスクリーン(モニター)で見れる欲求を満たしてくれるだろうと期待しちゃいますよね。そういう意味で裏切られたと感じた人は多いんじゃないでしょうか?。

それでも、ジブリの『ゲド戦記』よりはかなりマシだったと思います。CGを使った映像的なものや、役者の演技などは平均点でしたし、何より原作の表面だけ拾ったとしても、ジブリのように歪めた解釈ではない...。ちゃんと『ゲド戦記』を実写版でつくって欲しいと思いますね。
★3

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January 04, 2008

ダイハード4.0

『ダイ・ハード4.0』 をDVDで鑑賞。

あらすじ:
ワシントンDCのFBIサイバー犯罪部がハッキングされた。FBIは名だたるクラッカーの一人であるマット・ファレル(ジャスティン・ロング)を本部に連行するようジョン・マクレーン刑事(ブルース・ウィリス)に命じる。軽い気持ちで引き受けたマクレーンだったが、マットを連行しようと自宅を訪れた矢先、謎の集団が襲撃する。激しい銃撃から何とか逃げ切ったものの、FBI本部への道中、信号機の異常動作に遭遇。何かが起こっていると感じ先を急ぐのだった。電力ハブと呼ばれる発電所の1箇所をテロリストに乗っ取られた事を知ったマクレーンやFBIは、その後、9.11テロによってあらゆるデータが秘密裏に集中管理されている事を知る。まさに犯人はその全てのデータをまとめて手に入れようとしているのだが、手段を選ばず攻撃するテロに立ち向かうマクレーン達の方策は?。そして、国家秘密を知る犯人の正体と意図とは?。

単身。ボロボロになりながらも正義感故にギリギリ現場に踏みとどまり知恵をしぼる。パソコンとか難しいことは分からないけど、その辺にある物を駆使して凄い敵に向かってゆく。ハズだった...。(´ヘ`;) 1作目のナカトミビルでは、相手の銃やプラスチック爆弾をくすね、素足でアル・パウエル巡査部長とのコンビが印象深い。2作目の空港占拠も同様のテイストだった。しかし3作目で完全にスーパーマン化してしまい、本作は絶対死なない安心感が漂っている。故にハラハラしない。しかも、本当にマクレーンが主役なんだろうか?と思うほど脇役であるハッカー青年の活躍が目覚ましい。で、話がITよりなもんだから、マクレーンのみならず観客も分かりにくい。はっきりマクレーンvs敵 という構図が見えにくくなってしまっているように感じた。

ところで、VFXはさすが目覚ましい進歩をとげているのは改めて言うまでもなく素晴らしい。最新型のヴィトール機(F-35)やカーチェイスシーンが代表的だが、標準レベルだと思う。極上ではなく、これが普通など感じてしまうのは馴れのせいで、恐ろしい。1作目の終盤。犯人ハンスがビルから転落するシーンなどとは比較にならないのは間違いないと思う。(^^;

キャスティングは無難なのか?となると疑問。ブルース・ウィリスは主役として必要だったとしても、パウエルはいないし、悪役もインテリ系なので迫力にかける。やってる事は十分に極悪なんだけれど、その辺が伝わってこなかったのが残念。娘も父親を好きなのか嫌いなのか?自分がピンチになったらマクレーン頼みってのは疑問だし、その心境変化の過程が演技に出ていないのでなんじゃそりゃ...という印象。その他、FBI捜査官はまずまずとして、他の警察関係者も全く影が薄く、マクレーンだけ走っている感じ。

これは、もはやダイ・ハードと呼べないのではないだろうか?。単なるアクション映画としては成立しているものの、知恵を絞り孤軍奮闘するアナログ的マクレーンを期待すると裏切られる事間違いなしである。
★3

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