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December 31, 2007

メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬

『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』 をDVDで鑑賞。

あらすじ:
メキシコ国境に近いテキサス州で、メキシコ人カウボーイ・メルキアデス・エストラーダ(フリオ・セサール・セディージョ)が誤射により殺害される。友人であるピート・パーキンズ(トミー・リー・ジョーンズ)は、犯人が国境警備隊員である事を知り、犯人であるマイク・ノートン(バリー・ペッパー)を銃で脅し、メルキアデスを墓地から掘り起こす。そうして、ピートはメルキアデスとの生前に約束していた、「死んだら故郷であるメキシコのヒメネスに埋葬する」ため、マイクにメルキアデスを遺体を持たせ、馬で何処とも知れぬヒメネスを目指すのだった。

前半は、メルキアデスの生前と現在を交互に見せながら、殺害された経緯や、ピートとの関係が明らかになってゆき、後半は3度目の埋葬に向かう国境越えの旅。前半少々バタバタするものの、イベントがシンプルなだけにそれほど混乱しないですみました。友人を殺された者と、殺害した者の旅にはどんな意味があったのでしょうか?。
何故ピートは国境越えという危険を冒してまでメルキアデスとの約束を果たそうとしたのでしょう?

それは単なる親友との約束だからなんて安易な理由ではないですよね?真意は?。約束を守る意地というか、ひょっとすると”愛”のようなものでしょうか?。メルキアデスの故郷である”美しい景色”を求めたのでしょうか?
孤独から一時的にでも逃亡しようとしたのでしょうか?。なんとなく思うのは、マイクを拉致し旅に同行させたのが、メルキアデスへの罪滅ぼしというだけではなく、ピート自身が寂しかったからではないかという気がしています。

精神的に孤独となり、何かしら拠り所を求めて当てのない旅を続けたのは、すがる”何か”欲しかったからではないのか?と...。しかし、結局孤独から解放される事はないんだ...と言われているように思うんです。それはマイクに限らず、登場する皆が何かしら精神的孤独を持っているようでした。

盲目の老人が象徴するように、結局人は孤独で、その孤独と正面から向かい合い、行動する。そこから何かしら進展するのか?何も起こらないのか?は分からないけれど、待つべきか動くべきか?。あなたはどうする?そんな問いかけをされているようでした。私のこれまでの人生は”待ち”だったかもしれない。(つд`)
★3

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December 30, 2007

グッドナイト&グッドラック

『グッドナイト&グッドラック』 をDVDで鑑賞。

あらすじ:
1950年代のアメリカ。赤狩りと呼ばれる”共産主義者”の追放が、共和党のジョセフ・マッカーシー上院議員を中心として行なわれていた。このマッカーシズムにCBSのキャスター、エドワード・R・マロー(デヴィッド・ストラザーン)、プロデューサーのフレッド・フレンドリー(ジョージ・クルーニー)らが反発する。法を無視したマッカーシーの赤狩りに対し、番組「See it Now」で是非を問う放送を行うのだが、世論とマッカーシーの反応は?

ストーリーはシンプルで、淡々と進み分かりやすく構成されていると思います。信念をもって行動する過程が丹念に描かれています。赤狩りがどれほどのものだったのかは想像するしかありませんが、チャップリンが赤狩りによって国外追放された事例などからすると、”無差別”だった事は想像に難しくありません。その中で、なかば玉砕覚悟で行動したマローを始めとするスタッフに感服します。

さて、作品は全編モノクロームです。時代が1950年代という事で違和感が無く、また闇の時代を象徴するかのようなイメージとも重なり効果的でした。すべてが当時のドキュメンタリーフィルムであるかのごとき仕上がりは、そのまま作品の目指すところが見えてきて、監督・ジョージ・クルーニーの真っすぐな思いが伝わってきます。また、マロー役のデヴィッド・ストラザーンがかもしだす雰囲気も脱帽ものです。とにかくタバコを吸いながら一見淡々と我々に語りかけ、最後静かに番組が終わる。その繰り返しがたまらなく印象的でしたし好きなシーンです。

本作が訴えるものは現在の報道番組のあり方。更には視聴者のスキルでしょうか?。娯楽化し特徴のない報道番組と、それを良しとする多くの視聴者の進むべき道を今一度考える時なのかもしれないです。スポンサーに縛られ、政治的圧力が存在する現状では、見る側の意識を変えてゆかなければ何も変わってゆかないだろうと思っています。信念をもった番組作りに期待したいところです。
★3

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December 29, 2007

タイタンズを忘れない

『タイタンズを忘れない』 をDVDで鑑賞。

あらすじ:
人種差別が問題となっていた1971年。バージニア州の田舎町でも白人と黒人の高校が統合された。勿論、お互い歩み寄らず喧嘩が堪えないのは想像に難しくない。子供だけではなく大人も同様。町中がそんなだから、例外無く学校のアメリカンフットボールチームも差別問題をそのまま持ち込んでいた。黒人ヘッドコーチ・ハーマン(デンゼル・ワシントン)と白人ディフェンスコーチ・ビル(ウィル・パットン)の思惑が交錯する。ハーマンはチームをまとめたい。ビルは殿堂入り目前にしての人事にショックを受けながらもヘッドコーチの座を譲るが、どこかハーマンへの協力を拒んでいる。見かねたハーマンは強化合宿を実行。白人は黒人を、黒人は白人と話をする事を義務づけ、更に合宿所の近くにある南北戦争の跡地で差別の悲劇を説く。そうして転校生の力もありチームは次第にまとまりを見せるのだった。このことが、学校内は勿論として町全体に広がってゆき、各々のわだかまりも溶けてゆくなかで、チーム・タイタンズは快進撃を続けるのだった。

この作品は実話をもとにしているそうです。スポーツをきっかけに、数人の熱き思いがついにはチームを一つにし、やがて町全体から人種差別が消えてゆく。そしてタイタンズは快進撃を続ける。美しい。途中、仲間の交通事故など悲しいエピソードはあるものの、おおよそ曇りのない展開がむしろ潔く感じられました。スポーツというのは本当に深いなぁと思い知らされます。本作のようにプラス方向ヘ針が振れれば幸いですが、時として暴徒と化し亡くなった人も大勢いるわけで、スポーツ万歳とは言いきれない現実があります。しかし、この作品を見ると皆が一生懸命になれる”何か”の持つパワーに期待してしまいます。

そのためには中立的立場のリーダーが必要で、ハーマンを演じたデンゼル・ワシントンは結構はまり役だったと思います。彼の表情や間、熱さと静けさはリーダーとしてのカリスマ性こそ全面に出てはいないものの、十分に柱の役割をはたしていました。また、他の役者は無名の方が多いですが、各々素人さがほどよく自然な仕上がりだったと感じます。ビル役のウィル・パットンがしっかり脇を支え、白人の葛藤をうまく表現していたのが良かったのではないかな?。

アメリカ人が最も愛するアメフトであったからこその奇跡なのか?指導者の力だったのか?その判断は難しいと感じましたが、多分両方の力があったからこそ、最初の壁が高く、しかし乗り越えた時のパワーは大きかったんでしょうね。
★3

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December 26, 2007

2007年に観た映画

2007年に観た映画

劇場に足をはこんだものと、DVDで鑑賞したものと区別しておりませんが、51本ありました。その中から年間ベスト5を選出してみました。

1位 : ある日どこかで
2位 : ナイロビの蜂
3位 : 硫黄島からの手紙
4位 : 善き人のためのソナタ
5位 : サウンド・オブ・ミュージック
補欠: それでもボクはやってない


[12月]
★3 メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
★2 グッドナイト&グッドラック
★3 タイタンズを忘れない
★3 007 カジノ・ロワイヤル

[11月]
★3 ALWAYS 続・三丁目の夕日
★2 マイアミ・バイス
★3 ユナイテッド93
★3 もののけ姫

[10月]
★5 ある日どこかで
★1 ブレイブ ストーリー

[9月]
★3 トム・ヤム・クン
★4 となりのトトロ
★4 善き人のためのソナタ
★3 ブラックホーク・ダウン
★3 イルマーレ
★3 カオス
★3 ウォーターボーイズ
★3 ぼくを葬る

[8月]
★2 デッドマン・ウォーキング
★4 トランスフォーマー
★3 プラダを着た悪魔
★3 デジャヴ

[7月]
★4 レミーのおいしいレストラン
★3 ヒマラヤ杉に降る雪
★3 DEATH NOTE デスノート the Last name
★2 プルーフ・オブ・マイ・ライフ
★1 LIMIT OF LOVE 海猿
★3 16ブロック

[6月]
★4 しゃべれども しゃべれども

[5月]
★3 インファナル・アフェアⅡ 無間序曲
★3 トランスポーター2

[4月]
★2 パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
★4 ブラッド・ダイヤモンド
★4 あるいは裏切りという名の犬
★3 24 -TWENTY FOUR- シーズンⅠ

[3月]
★4 パフューム ある人殺しの物語
★2 アサルト13 要塞警察
★2 ヒストリー・オブ・バイオレンス

[2月]
★5 インファナル・アフェア
★3 間宮兄弟
★3 ブロークバック・マウンテン
★3 きみに読む物語
★5 ナイロビの蜂
★2 イーオン・フラックス

[1月]
★4 リトル・ミス・サンシャイン
★5 それでもボクはやってない
★3 ピーナッツ
★4 ロード・オブ・ウォー
★3 ファイヤーウォール
★2 バットマン ビギンズ
★2 燃ゆるとき
★2 ナルニア国物語
★5 硫黄島からの手紙
★3 ミュンヘン
★5 サウンド・オブ・ミュージック

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December 15, 2007

007 カジノ・ロワイヤル

『007 カジノ・ロワイヤル』 をDVDで鑑賞。

あらすじ:
MI-6(Military Intelligence section 6)とは現在のイギリス情報局秘密情報部(SIS)である。本作はMI-6で”00(ダブルオー)”の肩書きを得たジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)の初仕事を描く。最初の任務は、テロリスト達の資金元が誰であるのか?そして、その資金源を絶つことだった。末端の構成員から調査を開始し、新型旅客機の爆破を阻止する。テロリストの金を使い株の空売りで資金を増やそうとしていた資金元は、爆破阻止により空売りが失敗となり大きな損害をこうむる。資金元がカジノで資金回収をするだろうとボンドもカジノへ向かい、そこで1500万ドルを持った会計係ヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)と、現地局員マティス(ジャンカルロ・ジャンニー)に合流。資金元のル・シッフル(マッツ・ミケルセン)を相手に、CIAも味方につけてギリギリの勝負が始まるのだが...。

実は”007”デビューなんです。別に理由があるわけではなくなんとなく...。今回は俳優に関して色々と話題になりましたし、結果的に評判がよかったようなので気になって観てみました。

まず冒頭。末端構成員とのアクションシーンが圧巻です。まぁどちらかというと逃亡している構成員の方がヤマカシ級で、恐らく殆どスタント無しなんだろうなぁと思いながらスピード感に見入ってしまいました。見事な掴みです。
追いかけるボンドもなかなか頑張っています。イメージ的に”007”って便利グッズとか使って”スマート”に追い詰めるのかな?と思っていただけに、一緒に走って転んで飛んで...。やるなぁと思いましたね。でも、諜報員としては顔丸見えで追いかけるってのはいいんですかね?。いきなり悪党達に面が割れてしまったような...。

資金調達に関しては、株取引は詳しくないものの、自己資金がないのに「いつでも返せる」と空売りするのは強引っぽい気がしましたね。案の定、空売りに失敗したらポーカーですもんね。ポーカーでそこそこ稼いだら、また空売りなりデイトレすればいいと思うんですけど、あくまでポーカーに固執しましたね。まぁインサイダーを越える方法で資金調達しようとしていたんですから頻繁に使える手ではないんだろうと思いますが、これまでもポーカーで資金調達ってことはないんでしょうし、もう一捻り欲しかった所です。それじゃ映画になりませんね。スミマセン。

ボンドやシッフルのポーカーシーンが少々長く感じました。”そこ”が見せ場だったのかもしれません。しかし、ポーカーのルールを知らない(せいぜい役くらい)ので、勝敗ヘの駆け引きがいまいち面白くなかったんですね。そういう意味で後半の心理的な盛り上がりに満足出来なかったのが残念です。満点とはいきませんが、よく出来た娯楽作品だと思います。
★3

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