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January 31, 2007

リトル・ミス・サンシャイン

リトル・ミス・サンシャイン』 を劇場で鑑賞。

Littlemisssunsine

あらすじ:
ばらばら家族が、娘の「リトル・ミス・サンシャイン」という美少女コンテスト?出場の夢を叶える為におんぼろワゴン車に乗り込んで会場へ向かうことになるのだが、途中、幾多のトラブルを乗り越え、ついに”負け組”家族にも
ご褒美が...あるのか???。

”普通”と呼べる人間がこの家族にいるのか?というくらい全員がなんらかの癖を持っているところがポイントで、そのはちゃめちゃっぷりが受け入れられないと冒頭でつまずくことになってしまうのだが、幸いに私は冒頭の食卓シーンでバッチリこの世界に入り込むことに成功した。決して長くないこの食事シーンで家族構成を見事に伝えるあたり脚本の巧さを感じる。

怪しい「人生成功術」を出版し”勝ち組”になりたい夫。
ヘビースモーカーで、しかも食事をつくらない嫁。
家族嫌いで空軍入隊まで喋らないと誓った息子。
少しお腹が出ていて身長も小さめ、大きな眼鏡が特等的な娘。
ドラッグ中毒で老人ホームを追い出された爺。
そして、同性愛者で自殺未遂したばかりの嫁の兄。
そして、人だけではなく車までポンコツというのもポイントで、何からなにまで”負け”てる家族なのである。この徹底ぶりがなんとも潔くて気に入ってしまう。

CGを駆使して「絵」を見せるのではなく、本と役者で勝負し「映画」を見せてくれる事に成功した本作品は、家族再構成の過程で”負け組”だからこそ可能な”勝ち方”を教えてくれる佳作である。

悲劇を笑いとばし、”負け”を感じさせないパワーが最高で、車を押しがけし順に飛び乗るシーンは何度見ても大好きなシーケンスである。キーマンは爺で、とにかく最初から最後まで影響力の強さは必見ものであり、その爺の影響を受けた純粋な娘がなんとも微笑ましい。

そして、なんと言っても最大の見せ場は、色覚異常により飛べない事が分かった弟を娘が無言で慰めるシーンかもしれない。遠くから家族が見守るなか、2人の一瞬のコミュニケーションは美しいシーンだし、無言だからこそ成立した見事な脚本と演技に魅せられてしまった。
★4

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「リトル・ミス・サンシャイン」観てみました。久々のいい映画でした。アリゾナからカリフォルニアまで「リトル・ミス・サンシャイン」の大会を目指し、バラバラで負け組みの家族「フォーヴァー家」がぼろぼろのフォルクスワーゲン・ミニバスでハイウェイを走りながら一つに纏まって行くストーリー。やさしくマトモなお母さん、真面目で独自の成功理論の売り込みに躍起のお父さん、空軍パイロット志望のニーチェに傾倒し沈黙の誓いを行っている長男... [Read More]

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