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January 30, 2007

それでもボクはやってない

それでもボクはやってない』 を劇場で鑑賞。

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あらすじ:
フリーター・金子撤平(加瀬亮)が面接に向かう電車で痴漢に間違えられる所から始まる。駅事務所から警察へ、取り調べで当然のごとく容疑を否認するが、犯人扱いで話などろくに聞いて貰えず留置場に拘留されてしまう。当番弁護士に示談をすすめられ、混乱し無罪を主張する。一方、友人・斉藤達雄(山本耕史)と母親・豊子(もたいまさこ)が事件を知り、刑事裁判を引き受けてくれる弁護士を探す。元裁判官の弁護士・荒川正義(役所広司)と部下の新人弁護士・須藤莉子(瀬戸朝香)に辿り着き、痴漢の弁護を嫌がる須藤莉子に荒川正義が「痴漢冤罪事件には、日本の刑事裁判の問題点があるのだからとにかくやってみなさい」と促す。ようやく徹平は弁護人と面会をはたし、とにかく無罪の主張に終始するが、起訴され裁判が始まる。裁判初期は裁判官・大森光明(正名僕蔵)の「無実の人を罰してはならない」というポリシーから公平な裁判が進行するが、突然、裁判官が室山省吾(小日向文世)に代わり一変する。果たして判決は無罪か有罪か?。3%の仲間入りが出来るのか?。正義は勝つのか?。

この映画が与える影響は計り知れないと感じました。それほど恐ろしい現実を見てしまった気がする。例えば、女性に「この人嫌い!」って思われ、いきなり「痴漢です!」って言われたらもう逃れられないんですよ。裁判して有罪確定です。後はやってもいない罪を認めて罰金を払うか、警察に連行される前に逃げるしかない。
そんな馬鹿なことってありますか?って事です。

徹底したリアリティの追求。キャスティングが成功し、監督の意図した通り裁判そのものが主役になっています。人ではなくシステムが。始まりから終わりまで...裁判ってどのように進められるの?という疑問に真正面から取り組んだ作品で、しかも観る側を飽きさせない巧さ。痴漢という犯罪がベースである事も大きいし、なんだそりゃ?と考えているうちにもどんどん進行してゆくテンポも丁度良い。

警察、検察、裁判所がある方向に向いてしまっている現状をハッキリ突きつけられ、直感的に「そりゃおかしいだろ?」と思ってはみるものの、個々には一般企業と同様に成果主義であるならばそうなるか...と変に納得してしまうものがある。
穿った見方をすれば、起訴されたら99.9%有罪となるなら裁判なんて不要だろ?という結論すら見えてくる。それこそおかしいのだが...。

さて、加害者視点を一転、被害者視点になってみるとどうだろう?。疑わしきは罰するべきか、許すべきか?。立場が変わっても結論は変わらないようだ。やはり確実に有罪である証拠が無い限り無罪とするべきなのだろうか?。
「12人の怒れる男」では、証拠に疑問を感じたら有罪には出来ないと1人の陪審員が単独奮闘し、ほぼ有罪で決まっていた判決をひっくり返し無罪となった。このような成果評価に左右されにくい判決システムが無ければ解決出来ないのだろうか?。しかし、陪審員を買収し判決を操作するという映画も観た記憶があり、陪審員制度すら既に危ういのかもしれない...。最終的には、人が判断をする以上、完璧な判断は難しいのだが、限りなく正しい判断を下すシステムは必須であり、現在のシステムがそれではない事は明白のようである。

で、最終的に自分が裁判官だったらどのように判決を下すのだろう?。劇場出口に判決箱が設置されていた。少し呆れてしまった。
★5

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