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January 04, 2007

ミュンヘン

『ミュンヘン』 をDVDで鑑賞。

あらすじ:
1972年のミュンヘンオリンピックで、パレスチナ秘密武装組織「黒い9月(ブラックセプテンバー)」によるイスラエル選手殺害事件が起こる。イスラエルは秘密裏に報復を行うため5人の暗殺グループを送り出す。パレスチナ側のターゲットは11人。およそ極悪人とは思えないターゲットを1人づつ爆弾で殺害してゆくのだが、いつしか自分達も狙われる立場である事に気がつき、愛する家族を思う気持ちと恐怖、任務遂行の葛藤に苦しむ。

まず、この作品を消化するには、中東の歴史を知っておく必要があると感じました。監督・スティーブン・スピルバーグ氏はそういう歴史的背景を知ったうえで観る事を期待してると思います。必要最低限の説明だけ挿入されていて尚2時間を越えている作品ですから、ココで解説映像を永遠と見せられてしまうと疲れてしまうわけで、監督のバランス感覚が問われるテーマなんですよね。

政府を主役にしたプロパガンダ的作品にしてしまうのを嫌ったのか、報復するイスラエル人の個人(5人)を主役に据えて身近な問題に見せようと試みています。前半はテロ避難だったんですが、中盤以降は個人レベルでの報復に対する恐怖に問題をすり替えていて、どうもごまかされているようにすら感じます。
また、ユダヤ人である彼が、映画化のためか中立の立場をとっている風にイスラエル側からの声も挿入されてはありますが、歴史的背景の説明は不足していると言わざるをえず、従ってイスラエル、パレスチナ双方から避難される仕上がりだし、やっぱり主役をイスラエル人にした時点でイスラエル視点になっており、結局は単なる反テロ作品なんですよね。
それなのに、1つ1つの報復プロットが長すぎて、しかも単調過ぎるため疲れてしまいました。
しかも途中から反テロ路線から報復反対路線に方針転向されてしまうもんだから何が言いたいの?と思ってしまい、盛り上がりの無さもあって疲労感たっぷりです。

戦争反対、報復反対と言うのは分かりますが、本当に言いたかったのはなんだったんでしょうか?非常に分かりにくいです。思いが重すぎて言いたい事が整理出来ていない気がします。特に後半の方針変更が苛立たしく感じます。個人的にはもっとすっきり出来ないものでしょうか?と言いたいです。この辺がスピルバーグの世界なんでしょうね。立ち位置が微妙で、作品としての盛り上がりも少なく、自己満足的描写が多いところからすると、映画評論家意外の観客は置いてきぼりにしてもやむなしと割りきっているように感じます。

ユダヤ人問題を訴えたいのか?。
アメリカを初めとした中東干渉を問題としているのか?。
テロリストを問題としているのか?。
テロ行為に対する報復の無意味さを問題としているのか?。
それとも、平和よ~~っ!って?。

最後に故郷イスラエルに帰りたくないと応える主人公と、その背後に見えるワールドトレードセンターがスピルバーグ氏の言いたい事だとするならば所詮そんなものなの?という感じですね。

あまり期待していなかったのでDVDにしましたが予想通りでした。
中東問題を勉強するきっかけくらいにはなりました。
★3

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