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December 22, 2006

ブッシュの戦争

『ブッシュの戦争』 を読了。

9.11テロが発生しそこからアメリカがいかにして考え行動したのか?発生から3ヶ月間の真実が書かれており、アメリカ合衆国大統領をストーカーしているかのごとく緻密な議事録とも言える構成になっていました。

この本には最初から物語り性を求めておらず、とにかく誰がどのように動いているのか?を知りたかった私には丁度よかったです。裏を返せば、著者の息遣いは殆ど聞こえてこないため、話の面白さを期待するとガッカリするでしょう。

真実のみをただ忠実に伝えるジャーナリスト魂を感じ、よくぞここまでまとめあげたものだと感心するばかりです。日本にもこれだけの仕事が出来る”本物”がいるといいんですけど、表面的に切り取って自分の意見をかぶせるだけの人が多すぎる気がして残念です。もう少し本物が増えるといいですね。

さて、本書を読んでみて思った事。
・改めて「華氏911」という映画はマイケル・ムーアが反ブッシュという事である一面だけを切り取った娯楽作品だったということですね。本書に登場するブッシュは、確かに戦術的な経験は皆無で、自力でどうにかする事は出来ないかもしれませんが、とにかく国民の悲しみと恨みを背景に少しでも早く前進させようと躍起になっています。自分でも勢いで突っ走ると分析していますが、その通りなんですが、勢いだけの馬鹿ではありませんね。少なくとも雰囲気を察知し、決断する勇気を持っているということがハッキリ分かりました。リーダーとしての自覚が見てとれます。逆にテロがあったからリーダーとしての自覚を持ったとも言えるでしょう。しかし、最も大切なのは一時的な感情に流され大局を見ることをしない、我慢することを知らない国家のリーダーとはこういうものか...と思うわけです。これでは戦争は無くなるハズがない。懸命に戦争相手を探すアメリカの姿は、世界一巨大なテロリストであると考えることもできます。

・情報量があふれ、あえぐアメリカがよく分かります。進歩の末にinputは増えたけれども、分析が追いついていないシステム的な欠陥が明らかになりました。既にテロの兆候を察知していたものの、それが”本物の情報”なのかどうか検証出来ず使い物にならなかった。この検証こそが壁ですが、今後どのように越えてゆくのか楽しみです。少なくとも日本はそれ以下のレベルでしょうし...。これは最も困難な課題の一つであり、核兵器に近いものですね。増えることはあっても整理するのは凄~く大変。

・内閣がバラバラです。特に個人的にまともな人間だと思っていたコリン・パウエル国務長官が孤立した立場であり、ドナルド・ラムズフェフド国防長官と犬猿の仲というのは驚きました。そして、コンドリーザ・ライス国家安全保障問題担当のクッション役が全体をまとめ支えていることを初めて知りました。それにしても、こんな自分勝手な人間が集まった内閣でよくもまぁやってるなぁと思うわけで、だからダメなんだなぁと納得しました。大企業病と同じ状態で、しかも末期に向かっているようにみえます。やっぱり組織が大きくなると天才的な人間が必要なんですよきっと。トップが脆弱だと下は保守に走る。まさにそういうアメリカをみました。ペンタゴンとラングレーが同調せず、そろってFBIを軽視するようじゃぁ組織としては失格でしょう。

ということで、まぁ予想通りだった部分と、新たに知った部分と楽しめました。ボリュームがありすぎるのが欠点でしょうか?。一度挫折しそうになりました。(;´Д`)
ちなみに、帯には「イラク攻撃はこうして決断された!」とありますが、実際にはアフガニスタンへの攻撃です。

[ 書庫データ ]
ブッシュの戦争 (Bush at War)
著 :ボブ・ウッドワード (Bob Woodward)
訳 伏見 威蕃
日本経済新聞社 2200円 ?版 466p ISBN4-532-16437-0

Bushatwar

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