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November 27, 2006

手紙

手紙』 を劇場で鑑賞。

Tegami

あらすじ:
両親を早くに亡くした兄・武島剛志(玉山鉄二)と弟・直貴(山田孝之)。学のない兄は常々世間の厳しさを感じ、弟には大学へ進学して欲しいと必死に働いていた。しかし、腰を悪くし、会社をくびになった兄は強盗に入り殺人という罪を犯す。
兄が無期懲役となった後、直貴は3度転職をする。そんな時、同じ会社で働く白石由美子(沢尻エリカ)が好意をよせるのだが、犯罪者の弟という事で差別されてきた過去がつきまとう。とあるいざこざをきっかけに会社を辞め、夢であったお笑い芸人を目指す。成功し、専務令嬢・中条朝美(吹石一恵)との関係も恋人以上になりかけるのだが...。

まず、原作者は「答えのない問題」だと言っている。本当にそうだろうか?。罪を犯した人間は、犯した罪と同等の罰を受けるべきで、現在の法律では加害者を保護し過ぎている気がしてならない。

かりにも人を殺めた本人や家族ならば、差別されるのは至極当然であると思う。これは作品の中でも朝美の父が「娘に近づくな」と言っているし、直貴の勤める会社の会長が「差別は当然だ」と言いきっている。
全くその通りだと思う。
自分の大切な人が殺されたとしたら? 加害者に人権を認める事が本当に可能か?。私は加害者を絶対に許せない。自分でも少々過激だと思うが、極論を言えば殺人を犯した人間は死をもって償う事すら考えるべきだ。

それなのに、この作品は加害者をややもすると被害者的に描きすぎ、”泣かせるぞ”的要素の強いドラマ仕立てになってしまっているのが残念でならない。絶対許さないと言っておきながら、一方で【手紙】が加害者である兄の”生きる糧”であるなどと、矛盾の多い展開に何が言いたいのか判断つかず困ってしまった。( ̄Д ̄;)

いっそ結論は観客にゆだねればいいのに、無理矢理に家族愛を引っ張り出して”泣きなさい”って脚本にはうんざりする。所詮はドラマ出身の監督なんだなぁ...という所だろうか。┐('~`;)┌

- edit 2006.11.29 -
確かに加害者の家族というだけで一方的に差別される点は同情する余地があると思う。しかし、この作品の致命的な欠点の一つは、直貴の職業設定にあった。もっと役者の力量を信じ、地味に生きていながらも差別を受け苦しむ家族を描くべきだったのに、夢を追いTV出演させてから落とすという安易さ。話としては分かりやすいものの、説得力という点で出鼻をくじかれてしまったのは確かだ。
現代を象徴する匿名掲示板を登場させたのもどうかと思う。手紙というアナログ世界とデジタル世界を対比させたいのかもしれないが、じゃぁパソコンが普及する以前はこんなに差別を受ける事はなかったの?という疑問が生じる。そんなことは無いだろう。このあたりの安易さもドラマ的になってしまった原因だと思う。
役者は気合いがのっていて演技も良かったが、脚本に潰された感じ...。
- end edit -

監督自身が成長物語と言っているあたりで既に終わってしまっている...。一応、加害者を主題にする勇気は評価に値すると思うので★3。

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