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June 28, 2006

タッチ・オブ・スパイス

タッチ・オブ・スパイス』 をDVDで鑑賞。

天文学の教授・ファニス(ジョージ・コラフェイス)に知らせがある。ついに祖父のヴァシリス(タソス・バンディス)がやってくるという。トルコで別れてから40年近く...2か月後に再会すると言っていたのに...時の経つのは一瞬、そんなもんなんだよなぁ。

しかし祖父は来なかった...来れなかった。祖父は病院のベットにいた。随分前から首筋にあった違和感。詳しい病名は分からないが、それが原因だったらしい。

そしてファニスは子供時代の祖父を思い出す。スパイス店を営む祖父に教わった色々な事や、家族のエピソード。
スパイスのきいたジョークもあり楽しい時間が過ぎてゆく。スパイスは定番があり、でも時には意外性が必要で、それは人生に通じるという。スパイスの匂いに包まれる画面は幸せに満ちていて、初恋の相手・サイメヘのスパイスもバッチリだし、イスタンブールの町並みも好き。

でも、人生というのはいい時ばかりではない。ギリシャとトルコの政治的な問題で、祖父を除く一家はギリシャに強制送還となってしまう。そしてファニスはギリシャで成長し、気がつけば祖父に教わった天文学の教授になっていた。ここがこの作品の大きな分岐点。

この作品の魅力はなんでしょう?。
ファニスが成長してゆく展開のはいいとして、そこにスパイスに関するエピソードが注入されていないか、スパイスが効いているのか、とにかく中盤以降スパイスを感じる事が出来ないんです。だから物語の奥深さがどんどん薄れてゆく。そう考えると子供時代で完結させてしまった方がよかった気がします。色んな意味でトルコを離れたくなかった祖父の思いは重要ですが、成長したファニスは最後に少しあればよかったんじゃないかな?。
それでもスパイスと人生(宇宙)とジョークを楽しめたと思います。
★3

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June 25, 2006

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』 をDVDで鑑賞。

何処にでもいそうなサラリーマンが悲憤慷概し大統領暗殺未遂を起こす話。

しかし、政治色は決して強くなく、あくまでサム・ビック(ショーン・ペン)というどこにでもいる一人の人間が壊れてゆくさまを描いた話。
そう書いていて思ったのは「明日の記憶」と近いかもしれないなぁ...なんて事。
もちろんストーリーは全く違いますが、徐々に壊れてゆく所を演じてゆく役者という意味で渡辺謙とショーン・ペンを比較するのは、個人的に面白い試みでした。

”正直ものは馬鹿をみる”という言葉があります。
この作品を一言で要約するとそういう事かもしれませんね。
真面目で嘘をつけない人間は社会のはみ出し物になってしまうかも...。
そういう悲しく歪んだ今の社会に一石を投じた作品かもしれない。

そして、人が潜在的に持っているかもしれない弱さをを描いた作品とも思いました。
人のせいにする事で自己を正当化する事は日常的に起こっています。
問題はその先にあるものです。
それは、起爆スイッチが入るかどうか?。
それは、これまでの人生や周囲の環境、そして本人の性格による所が大きいわけですが、この主人公は信じていた人達に裏切られ、自分が軽蔑していた「嘘つき」呼ばわりされた時にスイッチが入ってしまった。
残るは爆薬の破壊力や、その矛先ですね。
自分の中に向く人もいれば、弱者にあたるものもいる。この作品のように神風特攻するものもいる。
根底にあるのは同じものであるけれど結果は大きく違ってくる。

サムは大義を必要とし、真面目であった反動?なのか一番無謀と思える選択をしてしまう。
旅客機をハイジャックし、ホワイトハウスに突撃するという選択。
しかし、その選択がどうのこうのは本質的な問題ではありませんね。
これが、この作品でうったえている”心が破綻してゆく時の怖さ”であると思いますし、今の社会では防ぐ事が難しいのが問題なのだと思います。

果たして、このテーマに正解はあるのでしょうか?。
残念ながら私には荷が勝ちすぎています。
が、そういう事を考える事って殆どないので、よい機会だったと思います。
最後に、ショーン・ペンは良い仕事をしました。
★4

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June 24, 2006

誰? - WHO AM I?

『誰? - WHO AM I?』 を読みました。

もちろん、『明日の記憶』があって、そして、なによりもずっと私は渡辺謙という人が気になっていました。
不思議なオーラが好きでした。作品に向かう姿勢が好きでした。

過剰な期待はせず日記的なものとして、そして『明日の記憶』という映画のメイキングとして読み始めました。

当初の予想通り、『明日の記憶』を創るに至る経緯、撮影中のエピソードがメインでしたが、より精神的な部分を知る事が出来たのは収穫でした。
18年前の病気の話、C型肝炎を治療しながらの撮影、南果歩さんとの話、ご両親の話も最後に少し出てきます。

「生きること」
「認知症という病気の真実」

そのために、氏は出来うる限りの知力と体力と時間を作品に注入した様が鮮明に記されています。ずっと感じていた氏のオーラの理由が分かった気がしました。38度の熱がある時さえも、その体調を演技に役立てたい。そんな思い一つを例にとってもプロであることを再確認することが出来ます。だから私は氏の絶妙な雰囲気が好きなんだと再認識しました。

また、『明日の記憶』に関する氏の思いと私の感想が違うことも分かりました。それで自分の考えが変わるわけではありませんが、氏の言いたかったことの本質が分かったことも大きな収穫で、『明日の記憶』がいよいよ自分のものになった気がしました。まだまだです私は。だからまた少し歳をとった時に見てみたいと思います。
そうだなぁ...50歳になった頃かな?。

氏の言葉
「役を生きるというだけではなく、映画という生き物を育てている感じがする。いや、一緒に育っているのかもしれない」

[ 書庫データ ]
誰? WHO AM I?
著 :渡辺 謙
訳 -
ブックマン社 1,429円 ?版 262p ISBN4-89308-627-8

Whoami

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June 23, 2006

インサイド・マン

インサイド・マン』 を劇場で鑑賞。

Insideman

あらすじ:
銀行強盗発生。犯人は約50人の人質を取って立てこもり、警察との息詰まる心理戦となる。進展のないまま刻々と過ぎてゆく時間。完全犯罪を予告する冷静沈着な犯人の真の狙いとは?。

クライム・ムービー(犯罪映画)って言うんだそうです。
クライム・ムービーというと、個人的には「ユージュアル・サスペクツ」が好きですね。

主な登場人物:
ダルトン・ラッセル:クライヴ・オーウェン(主犯)
キース・フレイジャー:デンゼル・ワシントン(NY市警刑事/交渉人)
ジョン・ダリウス:ウィレム・デフォー(NY市警警部)
アーサー・ケイス:クリストファー・プラマー(マンハッタン信託銀行の取締役会長)
マデリーン・ホワイト:ジョディ・フォスター(凄腕弁護士)

4人組の銀行強盗で主犯はラッセル。そこに交渉人・フレイジャー刑事が登場します。既に作戦指令室(改造バス)を設置し指揮をとっているのはNY市警のダリウス警部です。そして強盗のあった銀行の会長であるケイスに一報が入り、彼は只ならぬ狼狽ぶりを見せ、銀行に隠された彼の秘密を守るために1人の弁護士・ホワイトを呼びます。これで役者がそろいました。

犯人は人質全員をジャンプスーツに着替えさせ、マスクとサングラスをさせます。これはなかなかうまい作戦ですね。犯人と人質の区別がつかなくなります。こうすれば携帯機器等を隠し持たれる可能性も無くなります。なにより完全犯罪がおきそうな雰囲気が出来上がりました。

そして、犯人-警察-弁護士の駆け引きが始まるわけですが、犯人の目的がなかなか分かりません。というのも、何かを盗むんだろうけれど、金品を盗んだ!って気配がないし、しかも即行で逃げる雰囲気がないんです。
で、途中で断片的に挿入される犯行後の取り調べシーン。ラッセルの完全犯罪予告のシーン。”目に見えるものだけ”を信用すると騙されるって言ってもですねぇ...。
とか困っていると既に終盤で、犯人がどうやって逃げたのか?が明らかになるわけです。ってか4人全員逃げました。まぁ盗んだものも一応分かりました。いやいや良かった良かった。(^^;

役者も良かったですよね。デンゼル・ワシントンの絶妙な抜けっぷりや、クライヴ・オーウェンが演じた基本的に覆面の犯人。ジョディ・フォスターのインテリ加減も絶妙でした。クリストファー・プラマーの何処か影を持った雰囲気は照明効果もあってかバッチリです。そういうわけで、まぁ面白かったかな?と思いながら帰ってきました。

が!ですね...幾つか気になる点があったんで一所懸命考えてみたんですね。そうするとだんだんと見えなかった粗が見えてきちゃったわけです。

まず、これだけのジャンプスーツを4人で持ち込んだの?。だって、犯行時、銀行に何人いるかなんて分からないでしょう?。たまたま50人だったからよかったけど、1000人いたらどうするつもりだったんでしょう?。即完全犯罪は完全に失敗するわけですよね?。(^^;

床に穴を掘りましたね。あれがなんだかずっと気になっていました。で、今でも分かりません。(^^; でもかなり頑張って掘っていたんですよ。

多分に穴は完全犯罪のための補助的な衛生装置だったんだと推測したりしますが、完全犯罪が成立するには時間経過が重要です。が、その時間が無視された作りになっているような気がしますね。もし警察がもっともっとあきらめず捜査を続けていたら?例えば3ヶ月頑張ったら完全犯罪は成立したんでしょうか?。きっと相棒3名はリーダーのすっぽかしを食らうと思いますよ。衣食住の衣は耐えられても、住と、食はねぇ...。

やけに銀行の内部構造に詳しいですよね?。間取りを知っているような雰囲気や、あっさり金庫室の中に入っていたり、貸し金庫を開けてみたり。おっとっと、ちょっと待って下さいよ。犯人はあっさりターゲットの貸し金庫を開けましたね。ってかその番号が秘密の金庫だとよく分かりましたね?。その前に、ケイスの秘密を何故ラッセルは知っていたのでしょうか?。少なくとも職員はラッセルを知らないんですよ。内部の犯行では無いですよね?。じゃぁどういう関係っすか?。そこ重要っぽくありませんか?。

何も盗まれていないから犯罪そのものを無かった事にしよう!って凄い事をいいますよねフレイジャーの上司は。まぁそれは寛大な心で見逃すとして、犯人を特定出来ないってのはどうなんでしょうか?。少なくとも犯行前のビデオカメラに無罪の人達が映っていたわけですよね?ね?。ならば約50人の容疑者をどんどん消去していけばいいのでは?。あえて3人が捕まり嘘の供述をする事で犯人を特定させないという発想は有だと思いますが、やっぱり怪しいこと言うやつはいるだろうし、何より人間関係的に犯人同士つながるのでは?。そういう努力をしましょうよ。(^^;

余談ですが、子供がPSPに似たハードでゲームをしています。
もの凄く残虐なゲームです。思わず犯人も目を背けるほど酷いんです。どうなんでしょうねぇそれ?。

偶然に完成した完全犯罪には★3です。
最初は不覚にも面白く感じましたから、減点してまぁこんなものかと。

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June 22, 2006

夢駆ける馬ドリーマー

夢駆ける馬ドリーマー』 を劇場で鑑賞。

タイトル "DREAMER Inspired by a true story" が表示される。
なるほど! と期待が膨らむ。

が、そうなんだろうけれど、『シービスケット』の縮小版と言いたくなるほど骨格部分が酷似していると言わざるをえない展開に愕然としました。
つまり、Inspiredが、"感激"ではなく"盗用では?"みたいな...。
レイトでの鑑賞だった事もあり寝そうになってしまいました。
以上終わり!。( ̄Д ̄;)って感じ。

そういうわけで、怪我をした馬・ソーニャドールがいて、苦しい生活をおくる厩舎(馬主&調教師&騎手)があり、見事に復活する物語りなんです。その実話は素直に凄いと思います。で、マライアズストームという牝馬の実話が元になっているそうですが、実はブリーダーズ・カップ・デイスタフ・レースには勝てていないんだそうです。┐('~`;)┌
ま、それはそれとして、何が縮小版かというと、”シービスケット”は時代的に大恐慌時代の国民的希望だったのに対し、”ソーニャドール”はクレーン一家の希望なんですね。とっても希望の範囲が狭い。小さ~くまとまっている。

そして、個人的な好みの問題ですが、クレーン家の娘・ケールを演じたダコタ・ファニングですね。『宇宙戦争』に出ていましたが、あの時のわがままぶりをまたしても見ることになりました。(>。<)
もちろん脚本なのはわかっていますが、どうもあの自分勝手な行動には気分が悪くなります。逆にそういう演技をしているんでしょうから凄い役者さんだと思いますけど、やっぱり役から受ける印象は...。

そしてTRUEなの?と思うほどの展開に、脚本の粗さを感じざるをえません。
復活するまでの収入は?。
祖父・ポップ(クリス・クリストファーソン)のヘソクリ凄すぎ。
そして、ブリーダーズ・カップに出場するための資金を難なく調達。
う~む...。

そんな中で父親ベンを演じたカート・ラッセルが一人奮闘してる印象を受けました。
作品の出来としては残念ながら★2です。
『シービスケット』を見ていなかったら★3~4くらいいったかもしれませんね。

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June 15, 2006

いとしのヒナゴン

『いとしのヒナゴン』 を読みました。

1970~74年にブームとなった謎の類人猿・ヒナゴン。比奈の町で目撃されたからヒナゴン。(*´д`*)
そして、30年ぶりに目撃情報~!。

東京から逃げ帰ってきたノブ(25歳女性)が台風の目。かな?。

そして、まさに合併の波にのまれそうな比奈の町には、ヤンキーあがりの町長・イッちゃんがいて、元舎弟が脇を固めている。
そして皆怪しい。
町長が「愛じゃ愛。ラブじゃ、ハートマークじゃ。わかるじゃろう」って言うか?。(Λ。Λ)
凄い町です。
で、ヒナゴンを探すために「類人猿課」とか作っちゃうもんだから町はもめる。
そんな町で、イッちゃん世代と、ノブ世代、勿論、皆、比奈が大好きで生きている。
ヒナゴンは夢であり、故郷そのもの。
そして故郷に住む人にとっては、希望だったり、恥だったり、シンボルだったりする。
見たいと願った人だけあえるヒナゴン。

ヒナゴンに故郷を見て夢を見るものもいれば、現実を直視し決して目をそらさず、将来の比奈町を真剣に考えてる熱い若者もいる。
この作品の素晴らしい所は、ヒナゴンという素材にだけぶら下がるのではなく、しっかりと現実社会と人間関係も描ききっているバランスが優れている所だと思う。
西やんが比奈の未来をうったえた時、その思いは私にも届いた。
ジュンペと坂本さんと彩花ちゃん、そしてイッちゃんがヒナゴンを見た時、私にも見えた気がした。(色はピンクだったけど...笑)

”空想世界に遊ぶ想像力”はおろか”現実の世界を生きるための想像力”すら無くしてしまいそうな時にこの作品に出会えてよかった。
ずっと読みたいと思っていた氏の作品。
期待通り!。

故郷にいる人もいない人も「夢にまっしぐらーっ」だぜ。(^^v

映画化されているんだそうです。
見てみたい気はするんだけど、イッちゃんのイメージが違うんだ...。
どうしよっかな?。

[ 書庫データ ]
いとしのヒナゴン
著 :重松 清
訳 -
文藝春秋 1,714円 ?版 461p ISBN4-16-323400-4

Hinagon

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June 14, 2006

シービスケット

シービスケット』 をDVDで鑑賞。

大恐慌のアメリカで、サラブレットと3人の男を描いたドキュメンタリー。

馬主、調教師、騎手、そして馬。
挫折、復活、奇跡。
実に単純な骨格であり、それゆえ説得力がありました。

但し、挫折を描く前半部分は少々辛い時間帯でした。なぜかな?。結果的には何もなくて、単なる人物紹介だったからかな?。

でも後半に突入してからの巻き返し。
骨折し殺されそうだった馬・シービスケット。
シービスケットを救ったのが、時代後れのカウボーイ、トム・スミス(クリス・クーパー)。
そんな職人的なトム・スミスを調教師として迎えたのが、自動車王だったチャールズ・ハワード(ジェフ・ブリッジズ)。
そして、気性の荒いシービスケットを乗りこなせ、騎手として活躍するジェニー・レッド・ポラード(トビー・マグワイア)。
6連勝と勢いがあり、因縁の対決? も制し敵無しだったシービスケットだったが、そこにまたまた試練が訪れるんですねぇ...。

レッドが落馬し歩くことすらままならない大怪我を負う。
代わりの騎手を乗せ走ったシービスケットも足を痛めてしまう。

そして、そこからまたしても復活するんです。
まさに奇跡。
そこに馬と人間のドラマがあり、静かですが熱いんです。
馬を想い、人を思う。
シービスケットとレッドのコンビが復活するシーンは感動です。

そして、ラジオのアナウンサーの実況を忘れてはならないでしょうね。
ディック・トック・マクグローリン(ウィリアム・H・メイシー)の喋りと手作りの効果音がいい。
まじめで暗くなりそうな、お涙頂戴的物語に花を添えています。

馬上からのカメラアングルがあったり、四季を感じる景色のさりげない演出も好きです。

前半は必要不可欠と分かっていますが、眠くなったのも事実。
★4

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June 11, 2006

明日の記憶

『明日の記憶』 を劇場で鑑賞。

Ashitanokioku

広告代理店の部長・佐伯雅行(渡辺謙)、妻・実子(樋口可南子)。
佐伯は人生の絶頂期にあった。
大きなプロジェクトを獲得し、娘も結婚を控え、人望もある。

そんな佐伯だが、次第に「若年性アルツハイマー病」の症状が目に付くようになり、会社を去る事になる。
現実逃避、誇り、嘆きと観念、覚悟と未来。
その過程を渡辺謙は見事に演じている。
見ていて怖いくらいの喜怒哀楽、全てがある。
だから私は泣きそうになった。

そんな夫を支える妻を演じた樋口可南子。
不安と絶望、覚悟と現実、悲しみと愛。
もはや言葉が無い...。

冒頭のロングショットや混乱時のカメラワークが過剰であった事が残念。
小手先のテクニックはばっさり捨てるべきだったと思う。
そのくらい役者のオーラが凄まじかった。
また、残念ながら特別出演の木梨憲武は出すぎだった。

そして、忘れてならないのは医師役の及川光博だと思う。
前半の診察シーンや告知のシーンは少々危なっかしいが、「生きろ」と言った時の彼は見違えるようによかった。

人を愛するとは?共に生きるとは?。
それは「覚悟」なんだと思う。
思い出のすべてを託された時、私は正面から受け止めることが出来るか?。
その覚悟は出来ているか?。
もしくは、思い出を託す覚悟があるのか?。

剥りとられてゆく人生に真正面から向き合った佳作だと思う。
★4

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June 10, 2006

シンデレラマン

『シンデレラマン』 をDVDで鑑賞。

この作品の魅力は、主人公であったジム・ブラドックが実在する人物であるということでしょう。
その伝説のボクサーをラッセル・クロウが演じてしまったというのがポイントです。
そして、ブラドックの妻メイを演じたレネー・ゼルウィガー。
脇を固める役者の凄さ。

無敗のボクサーが怪我で一度は引退。
大恐慌の時代でその日暮らしの生活を余儀なくされ、ギリギリの生活をしている。
しかし、そんな中でも「家族愛」という強烈な思いを胸に、日雇い労働でギリギリ生きている。
そうギリギリ。
マジでギリギリ。
そのセピアな部分です。
ラッセル・クロウとレネー・ゼルウィガーの雰囲気が非常によろしいです。
「インサイダー」や「ビューティフル・マインド」でも思いましたが、こういうセピアな役にピッタリあっています。
表情とか言い回しとか、そういう細かい部分とストーリーがドンピシャで、観入ってしまいました。

そして”シンデレラマン”と呼ばれ奇跡的な復活を遂げる。
資格剥奪まで落ちたのに...これでもか!とばかり。
あの精神的苦痛を考えれば...家族との幸せをつかむためなら...肉体的な痛みはもはや苦痛とは言わないという強い思い。
何処かで”シンデレラマン”がいて欲しいと期待している観客を裏切らなかったブラドック。
そんなブラドックに観客は次第に同調し、マジソン・スクエア・ガーデンはひとつになった。
家族とは?を考えさせられる佳作と思う。
★4

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June 07, 2006

隠し剣 鬼の爪

『隠し剣 鬼の爪』 をDVDで鑑賞。

藤沢周平&山田洋次という事で『たそがれ清兵衛』に引き続き観てみました。

これまでの作品では子供達も重要な役割を持っていましたが、今回は殆ど大人だけの世界です。ポイントは何故「鬼の爪」と呼ばれる隠し剣を使わなければならなかったか?ですね。
たそがれ清兵衛』や『蝉しぐれ』が比較的ストレートに”心”を描いた作品だったのに対し、本作はもう少し影の部分を強く描いた作風である所が好みの分かれそうな部分です。

下級武士・片桐宗蔵(永瀬正敏)と奉公人・きえ(松たか子)の関係は、身分は違えど清兵衛と朋江の関係に近く、相思相愛の間柄なのにそれが言えない世界。
宗蔵はボロを着ているが実はやり手で、最終的に果たし合いとなる展開も同じ。果たし合いの相手が、謀反の罪とはいえ友人で剣の同門であった狭間弥一郎(小沢征悦)という所がポイントで、その果たし合いの結末が卑劣だった事と、弥一郎の妻・桂(高島礼子)の行動が耐えられず、ついに「鬼の爪」を使ったという展開。

『たそがれ清兵衛』とはっきり違うのは、時代が幕末で近代化の最中という事でしょうか?。
随所にエゲレス(イギリス)の鉄砲を訓練するシーンが登場し、走り方から教育され、戸惑う武士のシーンが微笑ましいです。

後半の展開を見据えてあえて前半は明るく仕上げてバランスをとったという事でしょうか?。
ストーリーも少々強引な部分が目立ちましたし、これまで観た時代映画の中では”ぐぐっ”とくるものがなかったのが残念です。
風景や建物の質感もあまり魅力的には感じられませんでした。
救いは松たか子さんの演技が思ったよりよかったことかな?。
何故?何故そうなる?というのと、やっぱり影より光が好きってことで ★3 (^^;

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June 06, 2006

ハイリスク

『ハイリスク』 をDVDで鑑賞。

ただジェット・リーが出ているというだけでレンタルしてきました。
期待できそうなパッケージでしたしね。
が、しかし...私の中では悲しい結末に...。

私は終始シリアスなストーリーでジェット・リーが活躍するのかと思っていました。
というか期待していました。
もうね、出発点が間違っていたわけです。
だから満足できるハズが無い。

なんかジャッキー・チュンに似てる人いるなぁ思ったら本人らしいじゃないですか!?。
冒頭のシーンは少しおかしいな...と思いながらもまぁこんなもん? と希望を捨てませんでしたが、ジェット・リーが家族を失ってから2年後のシーンに変わって、完璧コメディになってしまいましたね。

ブルース・リーを真似してみたり、ストーリーはダイハードⅠそのままだし、カンフーというより銃撃戦だし...。
直接的な映像は無いけれど、結構残酷なシーン満載だし...。
アクションだけではなく微笑ましいシーンを入れる所は流行りでしょうか?。どうもドタバタ感があって駄目ですね。
コメディと分かっていて観れば楽しめたかもしれないです。

ところで、主役はジェット・リー?ジャッキー・チェン? いまだに分かりません。(^^;
★2

ちなみに、ジェット・リーが本気マーシャルアーツ版として取り組んだ『SPRIT』 のエントリはコチラ

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June 03, 2006

ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード』 を劇場で鑑賞。

Davincecode

まず率直な感想だけ書くと、見終わった後に「どわ~」と疲れがきました。(*´д`*)
2時間半という長さでしたが、なんとかなるだろうと思っていたらとにかく息をつく暇が無い。
最初から最後までトップギアで爆走する感じなのですっごい疲労感。
字幕で見ましたが、吹き替えの方がいくらか楽に観れて楽しめたかもしれない...。
本当は吹き替えって嫌なんですけどね。

まぁあの本を映像にするというのですからある程度はやむおえないと思います。
が、それでも解説不十分かな?と思う点は山ほどありますね。
でもこの手の作品で3時間という長編はあり得ない。
ということで、いかに2時間の枠に入れるか脚本化の腕にかかっていたわけですが残念でした。

本の方でも書きましたが、シオン修道会とカトリック教会の争いとみせておいて、実は第三者(導師)が...という展開。
しかし、まずこの基本的な部分の解説は十分だったのかな?ということ。
登場人物がどの立場の人で、各組織(個人)の目的は何で、だから聖杯に対する思いはこうなんですってのを理解するのが大変。
本を読まずに見た人に聞いてみたら「そういう所は軽く流して観たけど面白かったヨ」だそうです。( ̄Д ̄;)
何故ソニエールはロバート・ラングドンとP.ソフィーに託したのかも不明ですよね?。

またエンディングはやりすぎだと思いました。
原作を未読の方には必要なシーンかもしれないけど、そこまで見せちゃうの?というのが正直な感想。
というか、ローズラインを逆に歩いたら何処に辿り着くのか是非知りたい所です。(;¬_¬)

とにかく宗教問題とかは置いといて(分からないし...)、突っ込みたい所が多かったのは事実ですね。
主人公にトム・ハンクスを使ったキャスティングも違うかもしれない。
こういう役はロバート・デ・ニーロとかハリソン・フォードとかの方がしっくりきたかな?。

否定的な事ばかり書いてしまいましたが、軽いトレジャーハント物としてみると、スピード感があり十分に娯楽作品に仕上がっていたと思います。
ソフィー・ヌブー(オドレイ・トトゥ)やシラス(ポール・ベタニー)の演技は真に迫っていてよかったですね。

話題作という事で多少穿った味方をしてしまったのも事実だと思いますが、原作に縛られ過ぎたように思います。
もう少し思い切って切り捨てる部分があってもよかったかもしれない。
あ、またよけいな事書いてる。┐('~`;)┌
というわけで ★3 です。

本のエントリはコチラ

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