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March 13, 2006

沖で待つ

『沖で待つ』 を読みました。

それは芥川賞を受賞した作品にしては本の薄さが際立っていて字も大きかったから。
2004年下半期、132回受賞作である「グランド・フィナーレ」には修辞技法で見事に撃沈されたわけですが、コレなら大丈夫かも!?と期待して読んでみました。

確かにサクサクと読みやすく、半日~1日あれば十分という軽さは好印象。
ですが...ですねぇ...。
この作品から何かリターンがあったか?というと、読み終わった直後も、そして一晩経過しても殆ど無いんです...。
私はどうも芥川賞とは縁がないのかもしれないなぁとがっかりしています。(´ヘ`;)

日常を切り取った内容と読みややすい文体には大いに歓迎なのですが、内容が個人の日記的で、まぁたとえ日記でもいいんですが、しかし何か共感出来ないまでもメッセージ的なものを期待していたので肩透かしくらってしまった感じです。

いや、待ってくださいよ。
メッセージは「会社という組織の中で結ばれた友情と信頼は、時と場合により妻をも越える」でいいのかな?。
しかし、本当にそういうメッセージで合っているのか良く分かりませんし、そうだとしても、自分に当て嵌めて心にくるものがなかったんですね。
現実問題として、近すぎるからこそ内緒にしたい、一定の距離がおける気のおけない友人だからこそ信頼出来るというのは確かにあることですが、それではあまりにも日常的過ぎてメッセージとしては弱すぎると思ったんです。

しかも、日記的リアリズムな世界から、突如として幽霊が出てきてしまう展開にも驚いてしまいました。
っていうか、冒頭にファンタジック的臭いがしたのにも関わらず、実は殆ど人間臭いドラマだったギャップがショックだったんですね。

進むべき道が分からないまま、でもなんとなく歩いてたらゴールしちゃった感じで、達成感がまるで感じられない。
成し遂げたというより、なるようになっちゃった...みたいな、まるでスカスカRPG直後みたいな感覚です。

「沖で待つ」 というタイトルも悩みます。
死んだ時、その世界では気のおけない友人ではなく、小舟として来てくれって事??? うむぅマジっすか。( ̄□ ̄;)!!

専門知識を勉強され、更に過去の経験も加えて世にでたと思われる本作ですが、もう一つの短編である「勤労感謝の日」で書かれていた ”いきあたりばったり的” な印象を強く感じてしまい、本質を読み切れていないのかもしれませんが、私にはコレが限界みたいで残念です。need help!

[ 書庫データ ]
沖で待つ
著 絲山 秋子
訳 -
文藝春秋 \1,000 版 108p ISBN4-16-324850-1

okide-matsu

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